ビートルズの演奏技術

    

歌やギターの練習をすればするほど、改めてビートルズの演奏技術に感動します。

よく「ビートルズは演奏が下手だった」という人がいますが、
この意見ほど的外れなものはありません。
余程自分の腕に自信があるのか、真面目に聴いていないかのどちらかです。

ビートルズは、卓越した演奏能力と表現力があったからこそ、
あの素晴らしい楽曲が、大衆の心に届いたのだと思います。

初期の暴れるようなグルーヴも、
後期の腹を抉るようなインパクトもすべて技術の裏付けがあったからです。

下積み時代はハンブルクのバーで毎日何時間も演奏し、
ツアー中ではホテル、平時にはスタジオに篭って楽器に触っていたわけですから、
その総演奏時間は、それこそモンスター級だったに違いありません。

ここで僕がミュージシャンとして思うことは、
できる限り楽器に触れる事の重要さです。

当たり前の事ですが、忘れがちな事です。
どんなに敏感で繊細な感性があっても、技術がなければ表現できません。

-技術は嘘をつかない-

さぁ、練習が楽しくなってきました。
簡単な事から始めようと思います。

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帰国

    

朝の10時に起床。
いよいよ帰国の時がやってきました。
空港に行くまでに時間があったので、
前夜に閉まっていたカフェバーを訪ねました。

そこのオレンジジュースで旅の締めくくりです。
テラス席に腰掛け、ギリシャの青い空を眺めながら
ジュネーヴからはじまった長い旅を思い出しておりました。

オレンジジュースを飲みきって、勘定をして
重い荷物を背負ってこの旅最後の独り言。

「さあ、日本に帰ろう」

これほど気持ちの良い言葉はありません。
帰国後はじまる新しい日々にワクワクしながら地下鉄の駅を目指しました。

駅に着くと沢山の人集り。
券売機が故障し、長蛇の列ができていました。
暫く並んでおりましたが、全く進みません。

緊急事態発生

こうなればタクシーですが、キャッシュを使い切った財布には5ユーロしかありません。
ギリシャのタクシーはカードが使えないので、何台にも断られました。
ATMも見つかりませんし、それを探している内に出発時間が刻々と迫ります。

これで乗り遅れたら洒落にならないので、止まって休憩しているタクシー運転手に
「キャッシュがないけど空港でなんとかするからとにかく乗せて!!」と必死で訴えました。

すると「途中でATMに寄ってあげるから乗りなさい」と救いの一声。
僕は感謝を告げてタクシーに飛び乗りました。

途中、ATMに立ち寄ると今度はキャッシングが上手くいきません。
そんなに難しい作業でもないのに、この時ばかりは何度ボタンを押しても上手くいきませんでした。

再び緊急事態発生

半べそをかきながら通行人の女性に「ヘルプミー!」と頼んだら、
「落ち着いて。幾らキャッシングしたいの?」と親切に対応してくれました。

女性の操作によって、僕は無事に現金をゲット。
彼女は救いの女神です。最後の最後までギリシャ人に救われました。

タクシーに飛び乗り、運転手はぶっ飛ばします。
お陰様でフライトの1時間半前に空港到着。
僕は手にした現金をすべて運転手に渡し、最後こう言いました。

「Thank you Greece!」

これに尽きます。
この言葉にはこの旅で出逢ったすべての人への感謝の気持ちが入っていたように思えます。
勿論、それはギリシャ人だけでありません。

この世界に感謝し、
この旅を胸に、これから胸を張って生きてゆこうと思います。

最後に、
旅の全行程で最もお世話になった友人ロマンに感謝します。
さようなら、また。
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アテネの夜

    

友人ロマンに見送られ、イカリア島を出発した僕はアテネへ。

もう旅が終わってしまう切なさが、
日本に帰る楽しみと混ざり合う時。
だから旅の終わりは一番好きです。

アテネでは前回も宿泊したホテルに戻り、
市内を歩き廻ってからホテル近くを歩いておりました。

先のブログで紹介した素敵なカフェバーは残念ながらお休みで、
その隣にある、また素敵なバーで飲む事にしました。

そこのバーテンダーの女性がとても親切で、
ギリシャのお酒を色々と教えてくれました

更に彼女の恋人は木造建築の勉強をしており、
日本文化にとても興味があるから是非とも紹介させて欲しいと言われ、
暫くしてテーブルにやってきたのはファナシスという青年でした。

ファナシスは僕に日本の木造建築の素晴らしさを語り、
色々な質問をしてきました。

僕は「みんなの家」の話をしたり、法隆寺や清水寺について教えてあげました。
こんな時にネットとは便利なものです。
ファナシスはそれをメモし、いつか必ず日本に行くと燃えておりました。

時間はあっという間に過ぎ、
バーテンダーの彼女(ニコレッタ)が後片付けを始めながら言いました。

「もうクローズの時間だから、この後三人で飲みに行かない?」

帰国前日にこんな誘いとは最高です。
まるで昔から知っていたかのような雰囲気で、
二人は温かく迎えてくれました。
旅を通じて思ったのですが、マジでギリシャ人はフレンドリーです。

何軒か梯子した後にファナシスが
「お腹すいてない?アテネで一番美味いサンドイッチ屋あるから行こうよ」
と日本でいう〆のラーメンを提案してくれました。

そこのサンドイッチは確かにアテネで一番でした。
サンプル数とか必要ないです。
ファナシスとニコレッタが言うんだから、そうなんです。

その時点でもう午前5時だったのですが、
更に「僕らの家で飲もうよ」と続きます。

二人の家はアトリエになっており、
とても可愛らしい内装でした。

ファナシス「次回ギリシャに来たらここ泊まって良いよ」

マジでギリシャ人はフレンドリーです。
午前6時を回った頃に、アパート前の石段に腰掛け三人で朝日を眺めました。

遠く丘の上にある遺跡が徐々にオレンジ色に変わり、
いよいよ旅が終わると思うと、急に寂しさが込み上げてきました。

ファナシスとニコレッタに見送られ、ホテルの部屋に戻りました。
もうすっかり明るい窓の外、まとめられた荷物。

この旅は間違いなく、今までで一番の旅でした。
ありがとう、ファナシスとニコレッタ。

また日本で会いましょう。

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心に飾る場所

    

イカリア島での日々は音速で過ぎて行きました。

世界中の人達とただ出逢っただけでなく、
食事をしたり、音楽をしたり、語り合う内に
小さなイカリア島の家族みたいな空気が生まれました。

イカリア島にいて強く思った事は

「こんな事があるのだな」

これに尽きると思います。

予測できなかった幸せな事。
忘れちゃダメな事。
肝心な事。
自分にとって大切な人。

それらを考えさせてくれたのは、
イカリア島の持つ不思議な力だと思います。

心に飾る場所ができ、とても幸せです。
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Why do you music?

    

イカリア島では実に沢山の出逢いがありましたが、
その中でも印象的だったのはナポレオンさんとの出逢いでした。

彼は僕の友人であるロマンと旧知の仲で、イカリア島出身。
白髭を蓄え、それでいて長身。
その風貌に圧倒されながら(本当はとても優しい)、
目の前でギターを弾くと、すぐに打ち解ける事ができました。

その時に彼に聞かれた質問は、恐らく一生忘れないでしょう。

「Why do you music?」

ナポレオンさんはそんなに英語を喋りません。
口数もとても少ないですが、その質問には実に深い意味がありました。

「君はなぜ音楽をするのか?」ではなく、
もっと根幹を刺戟する質問でした。

その時の答えは、これからの僕の人生で体現していこうと思います。
そして恐らく今後も自分の中で問いかける言葉になると思います。

Why do you music?

とてもシンプルで痺れます。

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イカリア物語

    

イカリア島に到着し、レンタカーで宿へ。

イカリア島にはホテルというものがなく、大家さんから部屋を借りるシステムです。
ウィークリーマンションの小さい版といったところでしょうか。

僕の泊まった場所は一階がレストランテラスで、
二階の部屋からは小さなビーチが見渡せます。

このビーチが人生で見た中で最も美しく、神聖な雰囲気がありました。

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夕日が沈みはじめる頃にレストランへ行くと、
友人の勧めで早速ギターの演奏をはじめました。

すると様々な国の人たちが一緒に歌います。
全員でビートルズのイエローサブマリンを歌い、
レストランオーナーは仕事を一旦止めて、ギターを出して一緒に弾きました。

到着して一時間も経たないうちに、音楽によって輪が広がり、
イカリア島の仲間に入れてもらう事ができました。

この感覚と衝撃は旅の最後まで消える事なく、
より強くなり、帰国後更に大きくなって僕の心に座っています。

毎日のように夕日が沈むのを眺めながら
ギターを弾いて語り合い、
夜には慎み深いパーティーが開かれます。

この想像を絶する、素敵な場所に出会えた事は
僕の人生において三本の指に入る衝撃です。

(もしかしたら一番かも…)
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イカリア島

    

ロドス島を経て、今回の旅の目玉であるイカリア島に上陸しました。

友人のロマンにとってこの島はとても特別であり、
以前から「自分が世界で最も好きな島だ」と言っておりました。

しかしながら、実際にこの目で見てみない限りは分かりません。

「きっとイカリア島に行ったら、人生観が変わると思う」

そんな言葉に、少々不安になりながら
イカリア島に向かうフェリーのデッキで色々な事を考えました。

フェリーが到着し、けたたましいブザーと共にハッチが開きます。
それと同時に「Junyasan,Welcome to Ikaria!!」と叫ぶ友人の声…。

そこに広がったのは夢で見たような美しく小さな港でした。

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不思議なもので、何も体験していなのに
着いた瞬間から本能でこの島が好きだと思いました。
一目惚れともまた違う、もっと深い感情。

畏敬の念でしょうか。

そんなイカリア島の旅が始まりました。

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ギリシャ流のキャッチセールス

    

観光地には大抵「しつこいキャッチセールス」が付きものです。

歌舞伎町に行くとやたらと居酒屋飲み放題の勧誘を受けるのと同じように、
今回の旅でも実に多くのキャッチに絡まれました。

バルセロナではしつこいセールスを断ったら、暴言まで吐かれました。
ナントカ猛々しいとはこの事ですね。
真顔で「ファッキュー」と言われるとこんなに腹が立つものかと思いました。

その点ギリシャでの勧誘はとてもソフトです。
特にロドス島のレストラン街はピースフルそのもの。

「ねえ、行くところ決まってないならウチで食べてきなよ」
「ごめん、もう決まってるんだ」
「あ、そうなんだね。じゃあ良い夜を!」
「君もね!」

こんな平和なやりとりが幾つもありました。
そうすると次の日にはその人の店に行きたくなりますね。
なんだかとても幸せな気分になりました。

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ロドス島

    

アテネを出発し、飛行機でロドス島へ。

ロドス島はトルコの対岸に位置する南北に長い島で、
フランスでお世話になった友人家族を訪ねに行きました。

この島では5日間のヨット生活。
船内は僕以外フランス人ですから、食事から何まですべてフランスです。
船尾にはフランス国旗がはためき、改めてフランスの持つ強いキャラクターを感じました。
あの国歌が聞こえてくるようです。

昼はセイリングに連れて行って貰いました。
エーゲ海は今まで見た事がない程、深い青をしており、
潜ると岩と砂しかないので、サンゴ礁のある海とはまた違う印象でした。
つまり潜るより見る海という事ですね。

この海に居ると、どこか守られているような、不思議な感覚でした。
この穏やかさはこの後の旅でも続きます。

船首に跨って風を受けながら、新しい人生の訪れを感じました。
ずっとここに座っていたいと思えるほど、風は心地よく、静かに船は進みます。

夜は月を眺めながらデッキでギターを弾き、こんな贅沢をさせて貰える事に感謝、感動しました。
自分の音楽に海の空気が溶け込んでいくような感覚もありました。

ヨットはゆっくりと力強く進みます。

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アテネへ

    

フランスに二日間滞在後、ギリシャへ移動しました。

同じヨーロッパ内の移動でも、この時はギャップはかなりのもので
またまた強烈な国にやって来たと感じました。

地理的にもギリシャはアジアに近く、
この地を中心に世界へ様々な文化が広がった事を感じました。
僕らの滞在した場所はアテネでも治安の悪い地域ではありましたが、
ローカルな文化が溢れ、素敵なお店が連なる通りでした。

1軒目に入った店が飛び切り素晴らしく、
優美な女性が一人で切り盛りしているバーでした。

最初に冷たい水が出された時に「これがギリシャ流のおもてなし」と友人が教えてくれました。
日本では当たり前のように飲食店で水を飲んでおりましたが、
恥ずかしながら、この時にはじめてその有り難みに気付きました。
これは日本とギリシャが水に恵まれている事の証でもあると思います。

決して大げさではなく、
僕が海外で訪れたバーで、最も感動したのはこのお店かもしれません。

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